2012年3月6日火曜日

Mar.06 (Tue) .2012

◆ 日経拾い読み


  • 議員給与、年300万円削減 民主、期間は野党と調整
民主党は5日の役員会で、国会議員の給与にあたる歳費について、1人当たり年額300万円を削減する方針を確認した。ボーナス2回を含めて国会議員1人が年間に受け取る歳費約2100万円の14%に相当する。近く野党に提案する。削減期間は「当面1年」としているが、野党と調整する。消費増税関連法案の月内提出に向けた環境整備の一環。

14%と聞けばかなりの削減に見えるが、国会議員の給与は歳費以外にもいろいろある。

1)月額給与         1301000円(年間 15,612,000円)
2)ボーナス          6354480円(年間  6,354,480円)
3)文書通信交通滞在費   100万円(年間 12,000,000円) ※非課税

小計                    年間 33,966,480円

今回は1)と2)の合計に対して14%削減といっているので、3)を加えると実質10%弱だ。

さらに国会議員にはこれ以外にももらっている。
4)公設秘書給与(3名まで)      年間 27,000,000円 ※平均

そして、公設秘書は国家公務員扱いなのだが、今回の国家公務員給与引き下げ法案での7.8%削減の「対象外」となっている。

まだまだある。これは国会議員本人に入るわけではないが、政党に対して国会議員の数などの割合に応じて政党助成金が交付されている。

5)政党交付金 国民一人当たり250円 = 319億円
これを国会議員数で割ると 319億円÷722人≒44,000,000円

1)から5)の合計 = 1億496万6480円

つまり、国会議員一人にはこれだけのコストがかかっている。これ以外にも議員特権でJR全線が無料、航空機が月4回まで無料など、目に見えないコストも含めるとさらにかかっているが、これらはすべて税金から賄われている。歳費の削減のみならず、議員定数の削減も含めて「身を切る」姿勢を見せないと、国家公務員も納得はしないだろう。


  • プーチン氏と電話協議 首相、北方領土に言及 ・・・「2人で英知ある解決を」
野田佳彦首相は5日、ロシア大統領選で当選したプーチン首相と電話で協議し「北方領土問題について、プーチン首相との間で英知ある解決に取り組みたい」と述べた。領土問題の解決に意欲を示すプーチン氏の指導力に期待するが、4島返還を求める日本と、ロシアの隔たりは大きい。

プーチン氏は過去のソ連、ロシア指導者のなかでは比較的親日にみえるが、北方領土問題の解決においても幾度か発言していることからも、解決機運が高まっている。
北方領土は歯舞、色丹、国後、択捉の4島を指すが、もともとは1855年に日露で日本領としていたものを、第二次世界大戦後にソ連(ロシア)に実効支配され、現状も続いている。
外交上では1956年の日ソ共同宣言で歯舞・色丹を日本に引き渡す話になっていたが、1960年に日本が日米安保条約を改定したことにソ連が反発し、膠着状態が続いている。

北方領土の返還パターンについては、

1) 4島返還
2) 3島 (歯舞・色丹・国後)+択捉島の一部を返還 ・・・面積2等分案
3) 3島(歯舞・色丹・国後)返還
4) 2島(歯舞・色丹)返還

があり、日本が外交的に主張しているのは1)で、ロシアが外交的に認めているのは4)である。
そこで、国内では先に双方の利害が一致する4)を実施し、その後残りの2島の返還交渉を行なっていく案も出ており、決着させるにしてもどの案でいくのか非常に悩ましい。
ロシアが北方領土を返還しない、特に国後・択捉島を返還しない最大の理由は軍事的なもので、オホーツク海から外界へ出る航路の最大のものが国後・択捉島の間にある国後水道だからだ。
日本が軍事的にはアメリカに支配されているため、ロシアとしては国防上ここの制海権に影響を与える4島返還にはまず応じないだろう。北方領土問題を多少なりとも進めるにはまず4)を実行するかどうかにかかっている。あまり先送りすると北方領土に住んでいた人たちもいなくなってしまい、問題が風化する可能性もある。

  • ネット規制対立激化 ・・・新興国、「管理」狙い攻勢 先進国、自由確保へ防戦
インターネット情報の規制を巡り、新興国と先進国の対立が激化している。中国やロシアなどは国家による規制と管理強化を狙い、国際的な枠組み構築を狙う。中東の民主化運動「アラブの春」の波及を恐れる途上国は中ロに同調する構えを見せており、ネット上で情報の自由なやり取りを続けたい先進国は防戦一方だ。

対立の構図は日米欧が自由化、中国・ロシアは国家規制派、新興国や途上国は規制派に同調といった感じになっている。もともとインターネット技術はアメリカの軍事技術から派生しているため、IPアドレスを発行する国際非営利団体も実質的にはアメリカ商務省が握っており、アメリカのインターネット支配に対して中国・ロシアが反発しているのが実態だ。最近のアラブ諸国での解放運動などもツイッターやフェイスブックなどネットでのやり取りで民衆が蜂起したことから、権力者側はネットの完全自由化には否定的になっているが、国ごとの規制ができてしまうとインターネット本来の良さも失われるし、特にネットビジネスをしているIT企業ではグローバル展開に支障をきたすだろう。ただネット犯罪への各国での法統制はバラバラで足並みが揃っていないことも問題としてあるので、何がしかのガイドラインの作成は必要だと思われる。

  • 小沢元代表、大阪入り 橋下氏と接触図る?
民主党の小沢一郎元代表=似顔=が4、5両日に大阪市に入った。野田佳彦首相と自民党の谷垣禎一総裁による極秘会談を受けて浮上した与野党第1党のトップ同士で衆院解散の時期を決める「話し合い解散」に警戒を強めており、次期衆院選をにらんで「橋下徹大阪市長に接触を図ったのではないか」との見方が出ている。

仮に小沢氏が橋下氏と会っていたとすると、政府が消費増税法案を強行して自民党と組んで採決し、衆院解散しようとしたときに小沢グループが造反するぞ、という牽制なのだろう。野田首相も谷垣総裁と会うよりも小沢氏と会って話をすべきなのだが、どういうわけなのか自らは動こうとしない。そこに民主党内の暗部があるのだろう。

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